そう易々と手懐けられない手強い相手。コンフォートでストレスフリーな服が当たり前になるなかで、身体を護る鎧のようにひたすらに堅牢で頑強な革を使い続ける、アメリカンレザーウェアの雄、Vanson
Supremeとのシーズナルコラボレーションでふたたび注目を浴びている今もなお、トレンドに流されることなくハイクオリティなレザープロダクトを作り続けています。

HISTORY

1974年にアメリカのボストンで、Mr. Michael Van De sleesen, President がレーシングシーン用のレザーウェアブランドとして創業したVanson
当時はアメリカでセントラルヒーティングが普及したこともあり、重衣料全般がライトな生地へと変わっていった時代であり、
牧場経営方法の変化によって良質な原皮が手に入りにくくなったこともあって、レザージャケットは徐々に薄手でヤワなものへ変わっていった時代。いわば、レザージャケットにとって冬の時代の訪れとも言える転換期でした。

そんななか、バイカーたちの身を護るためにひたすらに分厚く、堅牢なレザージャケットを唯一作り続けていたのがVansonです。
アスファルトの上を疾走するモーターサイクルレースでは、万が一転倒した時にライダーの身を守るのはレザージャケットとレザーパンツ。100キロを超える速度で転倒したとしても破れることのないほどのタフさが求められます。

徹底的に耐擦過性を追求したVansonのものづくりは地元ボストンのレースシーンを中心にすぐ評価されるようになり、やがて
地元ボストン市警察にも納入されるなど、そのタフさからプロユースとして高い支持を集めます。

1984年にはマサチューセッツ州サザンランドを経て現在のクインシーに本拠地を移転。自社工場に150人もの熟練の職人を有し、
シンプルなもので49段階、複雑なもので126段階の工程を経て完成されるアイテムは、アメリカンレザープロダクトの最高峰として高い評価を得続けています。
現地ではVansonはバイカーやポリスマンたちのライディングウェアとして使われていたものの、THE BACKDROPではその
ファッション性に早くから着目。
1982年より実際に現地を訪れてVanson社との取引をスタートし、その魅力を日本に向けて紹介し続けてきました。
ほどなくして渋カジブームが到来した時には、Vansonのレザージャケットは渋谷を象徴するアイテムへと昇華され、いまなおその
クオリティの高さに魅了されたレザーファンから高い支持を得ています。

MATERIAL&TAILORING

Vansonの最大の特徴と言えるのが、その分厚いレザー。
ライダーの身体を守るためには一般的に流通している革では満足がいかず、創業者である Mr. Michael Van De sleesen, President のこだわりが込められた特注の革を使用しています。
一般的に高品質なレザーといえば「ピット槽を使ったフルベジタブルタンニン鞣しで....」といった薀蓄がつきまとうものですが、Vansonの場合はブランドを象徴するコンペティションウェイトレザーをはじめ、多くのレザーでクロム鞣しを採用している点が最大の特徴。
鞣し工程に数ヶ月かかるタンニン鞣しと違って、早ければ2週間程度で鞣し上がるクロム鞣しは量産の安物というイメージがつきまとうものですが、実はさにあらず。
ハイブランドのレザー製品の多くがクロム鞣しであるように、実は素材として最も堅牢かつ丈夫に仕上がるのはクロム鞣しなのです。
と言うのも、タンニン鞣しは繊維のなかにタンニンの粒子が入り込むことで鞣しがおこなわれるため革が膨らんで仕上がるのに対し、クロム鞣しは革が膨らむことなく繊維が緻密に絡まった状態で鞣し上がるため。
Vansonの革の表面が爪で引っ掻いても傷がつかないほどの硬質さを誇るのは、そのためです。

また、クロム鞣しの革は繊維の緻密さを活かして薄く漉いて仕上げるのが通例ですが、Vansonでは原皮の分厚さを残したまま縫製工程へと進むため、非常に堅牢。
特にブランドを象徴するコンペティションウェイトレザーを使用したモデルは艶やかで硬質な銀面の輝きと同じく、一筋縄ではいかないほどの硬さを誇り、一生をかけて身体に馴染ませる覚悟と生涯に渡って愛用できる安心感を備えています。

さらにクロム鞣しの革の場合はオイルをほとんど入れずに表面をラッカーアップして仕上げることが多いものの、Vansonでは6時間以上にも及ぶドラムによるワクシング工程を経て、表面は透明感のあるアリニンで仕上げられるのも特徴です。
そのため革本来の質感はもちろん、着込むにしたがってオイルドレザーらしい強いコシを楽しむことが可能です。

SPECIAL ORDER

そして1982年以来、信頼関係を築いてきたTHE BACKDROPVansonは、過去に様々なコラボレーションを実施してきた歴史を有しています。
なかでも、現在のVansonのダブルライダースの基本形である「MODEL C2」はTHE BACKDROPが別注オーダーしたことが発端となって定番入りしたモデル。
それまでのダブルライダースでは着丈が長く、日本人の体型に合わなかったことからショートにリサイズし、当時のアメカジブームの担い手となっただけでなく、本国アメリカでも評判となり、インライン入りを果たしたモデルです。



そのほかにもTHE BACKDROPが発端となって誕生した定番モデルは数多く、「NEW FANNY PACK」は仕様変更ではなくTHE BACKDROPがデザインを1からリクエストしてオーダーしたアイテム。(ちなみにVanson以外にレッド・ウィングのスウェードエンジニアもTHE BACKDROP別注モデルが元祖だったりします)

また、クロスボーン柄も同様に別注によって誕生した仕様であり、THE BACKDROPのみが使用できるエクスクルージブなデザインとなっています。
特にパターン変更やエクスクルージブデザインといった別注は、80年代以来構築してきたVansonとの信頼関係があってこそ可能になったもの。

ここ数年でTHE BACKDROPが手がけたイチオシの別注が、ENF CUSTOM “JACK KNIFE” 。
エンフィールドジャケットというブリティッシュタイプのシングルライダースをベースにしつつ、エリやフロントフラップの形状など細かな部分を変更してブラッシュアップしたのみならず、左胸に付けられた大振りなジップポケット。
その名の通り、バイクに乗りながら武器を取り出せるという設定ですが、実際はマップポケットや携帯入れとしても秀逸な使い勝手。
JACK KNIFEには、その鞘と刃が一体になった形状から「隠れ家」という意味も込められており、この1着もJACK KNIFEのようなハードなイメージと気のおけない隠れ家のようにデイリーに着回せるシンプルさが共存しています。

今後、THE BACKDROPでは、新しい別注アイテムのリリースも含め、Vansonの魅力を伝えていく予定です。

ITEMS

9TJV
先ほどのクロスボーン柄を採用したアイコニックなアイテムが「9TJV」。
Vansonの定番モデル「TJ」にTHE BACKDROPが別注をおこない、タイトなフィッティングと2インチ長めの着丈を採用。
身構えずに着られるアワードジャケットのデザインをベースに、オールブラックでブランドのネームタグが胸と袖につくシンプルなルックスのため、男らしさもありながらもコーディネイトにも取り入れやすい1着です。


STAR
Vansonを渋カジ&ハードアメカジの必須アイテムに押し上げた80年代を象徴するモデルが「STAR」。
レーシングウェアブランドとしてのルーツがうかがえるワッペンカスタマイズに、THE BACKDROPがカラー別注を採用。
当時はリーバイス517や646にレッド・ウィングのエンジニア、ゴローズとともに着こなすのが定番でした。


PJ2
ボストン警察で実際に使用されていた、通称ポリスジャケットと呼ばれる「PJ2」。
シボ感のあるトップグレインレザーを使用しており、エポレットやフラップ付きの胸ポケットなどのほか、レザー張りのガンポケットやサイドスリットをスナップボタンで留める仕様など、ポリスジャケットらしいディテールを各所に採用しています。


C2
日本人の体型に合わせて着丈を2インチ短くカットしたTHE BACKDROP別注が発端となり、今ではVansonのカタログに通常モデルとして載る様になった伝説のアイテム。
インナーはダイヤキルトが施されたベーシックなダブルライダースでアームの可動域もしっかりと確保されており、着丈の短さを活かしたコーディネートはもちろんハーレーなどのクルーザーに跨る際もお勧めです。


9C
THE BACKDROP別注モデルの「9D」にさらなる別注をかけて仕上げた、取り外し可能な襟ファー付きモデル。
シングルライダースをベースにダブルに作り変えており、着丈も長めなため、前かがみで跨る英国車などにもフィットするシルエット。
肩のエボレットや裾のベルトを省略することでシンプルに仕上げた点もポイントです。

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